= 田 中 温 子 =

福祉研修を終えて

 希望の家で福祉研修をさせていただくという事を知った時、私はどんな研修になるのかを少し考えてみた。しかし、障害を持つ方々に触れる機会をあまり持ったことのなかった私には、予想をするのは難しかった。福祉に携わるとは、つまり何をするのか、ということすら、よく分からなかった。そんな私が考えたのは、食事や入浴の介助といったものだった。

 そして、いざ研修が始まってみると、私が頼まれたのは「床掃除」だった。床は常にピカピカでなければならない。なぜなら、脚が不自由な方は床を這って進むからだ。毎日毎日、施設で働く方々は徹底した床掃除を行っている。水拭きをしたら、滑らない様に乾拭きをして床から水気をなくす。私の想像していた福祉とは全く違うものだった。福祉に携わるというのは、食事や排泄の介助だけではない。掃除だって立派な福祉なのだ。

 そして私が床掃除をしていると、たくさんの利用者の方が「ありがとう」と声をかけて下さった。そう言われるだけで、もっときれいにしようと意欲が湧いてきた。「ありがとう」は、私が研修中に一番多く聞いた言葉だった。

 希望の家での福祉研修は一日という短い時間ではあったが、「福祉とは何か」ということを教えていただくことが出来た。そして、「ありがとう」という言葉の大切さを知るという、意外な収穫もあった。


(関西大学 法学部 1回生)

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